31/12/2001 

     熱帯魚ちゃん

     今は熱帯魚のえさやりの担当をしている。コロンボに住ん
     でいる今井さんが、年末年始の休暇でバンコクに行く。彼
     女は最近熱帯魚を飼い始めたのだが、こんな大切なタイミ
     ングでなんとメイドさんが突然辞めてしまったのだそうだ。
     そこで、登場したのがこの私。今井さんが留守の間、約1週
     間、熱帯魚たちに毎日2回、エサをあげる役目を果たす! 
     その代わり、この豪華マンションでこの間過ごしてもいいの
     だ。極楽である。何ていったって、床は大理石。ツーベッドル
     ームにシャワールームだって二つ。広すぎるキッチンもある
     し、何ていったって、テレビもある。おまけにNHKが映るのだ。
     幸せである♪ しかし、すでに熱帯魚ちゃん。一匹ご昇天され
     てしまった…。やばい。

  27/12/2001 

     予防対策

     引っ越して、だいぶ虫が減ったようだ。前の下宿先には、
     それはもう虫がいっぱい。隣の部屋の子とかは、夜も窓を
     開けっ放しにして寝てたからなおさらだ。蚊帳はあったも
     のの、なぜかどこからか、虫が入り込んでくる。おかげで、
     私の足や腕は、何かに刺された跡がぽちぽち…。
     予防対策を真剣に考えた。ベッドのマットはまめに干す。
     シーツもまめに洗う。これ当たり前。夜は肌の露出を出来
     るだけ控える。パジャマは長ズポン。今までTシャツで寝
     てたが長袖シャツを一枚はおる。そうなると、やはり暑い。
     暑さをしのぐため、また虫を吹き飛ばすため、扇風機を真
     夜中ずっとかける。そして、蚊帳を完全にきっちりとセット
     する。寝る前の一仕事だった。

  26/12/2001 

     サラダ

     今の下宿先では、夕飯だけ用意してもらっている。朝と
     昼は自分で作るか外で食べるかだ。あまり食が太いほ
     うではなくなってしまったので、朝はミルクティだけか、
     またはサラダがあれば充分だ。カレーばかり食べてい
     ると、どうしてもサラダが食べたくなる。
     近所のなじみの八百屋に行った。野菜は驚くほど安い
     のだが、それでもひとりで食べる分しか買わない。
     「たった、これだけ?」
     とよく言われる。その八百屋のお姉ちゃん、きっと英語
     も話せるのだろうが、なぜか私にはいつもシンハラ語
     で話し掛ける。彼女に、
     「サラダ作りたいんだよね」。
     と言ったら、変な顔をされた。後で気づいたのだが、サ
     ラダは、シンハラ語ではサニーレタスのことになってし
     まう。つまり、サラダある?って聞くと、サニーレタスあ
     る?っていうこと。っていうことは…、サラダ作りたい、
     と言うと、サニーレタス作りたい。つまり、私は農家にな
     ってしまう。そりゃ、変な顔するわな。

  21/12/2001 

     夜の八百屋

     スリランカでは結構夜遅くまで、店は開いている。では、
     現在また始まったパワーカットの間、どのように営業し
     ているか。レストランなどには、ジェネレーターがあると
     ころが多い。自家発電している。雑貨屋では、充電式の
     蛍光灯を使っていたりする。電気がある間にその持ち運
     びできるほどのサイズの蛍光灯を充電しておいて、いざ
     パワーカットが始まったら、それを使うのである。けっこ
     う、明るい。なにも、ショップに限らず家の中でもよく使
     われている。しかし、やはり原始的にロウソクを使って
     いるところも圧倒的に多い。今日は、帰りに八百屋に寄
     ったのだが、すでにパワーカットが始まっていて、ロウソ
     クがあちこちでゆらゆらゆれていた。結構雰囲気が出る
     ものだ。大根の横。でかきゅうりの横。ライムの横…。

  18/12/2001 

     なぜなぜ質問

     工場も訪れてもう10ヶ月。これほど訪れると、さすが
     に工場長に対する質問も高度になってくる。外国人の
     姉ちゃんが来たと思って、分かりやすく説明してくれる
     のだが、そんな説明では、もう私にとっては甘すぎる。
     なぜ?どうして?攻撃だってとどまるところを知らない。
     もちろん、いじめたり意地悪するつもりは全くないのだ
     が、私だって探究心だけはある。すると、だんだん工場
     長も言葉がなくなってきてしまう。
     「君の言うとおりだ。なんでだろう?」
     と言う人もいれば、訳のわからない答えを出し、う
     やむやにする人もいる。そういう場合は、それ以上は追
     求しない。彼たちは知らないと言うことが分かればそこで
     終わりだ。そんな私に、ある工場長が質問してきた。
     「みつ。君は日本で紅茶の工場を作るつもりかね?」

  17/12/2001 

     証明されたよ

     選挙が終わった矢先、先週からちらちらと、停電する
     ようになった。30分とかその程度だったが。いやな予
     感…。
     そうなのだ。またパワーカットが始まったのだ…。つい
     に、選挙前の一時期だけの停電中止が、とても分かり
     やすいニンジン政策だったということがはっきりと証明
     されてしまった。今回も、もちろんスケジュールや停電
     時間ははっきりしない。真っ暗の夜は星を見ることにす
     る。綺麗に見えるから。

  16/12/2001 

     クリスマスへ

     こんなにも、暑い毎日が続く中、スリランカもクリスマ
     スモードになってきた。こちらは、7割が仏教徒でキリ
     スト教は数%としかいない。しかし、クリスマスは日本
     と同じ。誰もが祝うらしい。竹のささにサンタがぶら下
     がっていたり、町じゅうの木にランプがデコレーション
     されたり。
     そんななか、スリランカらしい、余りにもスリランカらし
     いクリスマスツリーを見つけてしまった。真っ赤の唐辛
     子で作られたツリーだ!どうだ!

  14/12/2001 

     ひやりとする場面

     WeligamaからMt.Laviniaへ引っ越した。これで7
     回目の引越しである。移動が多いので、荷物は極力
     少なく!本と服、カメラとコンピュータくらいである。車
     で4時間かかる道のり。相変わらず、暴走運転だらけ
     である。私の車は古いがブレーキランプや方向指示
     機のランプはしっかり動く。当たり前だ。しかし、スリラ
     ンカではそうではない。ランプが割れたままとか、ラン
     プはつかない、といった車はとても多い。
     例えば方向指示機のランプがつかない場合。右に曲
     がるときは、運転手が手信号を出す。車の窓から右
     手を出すのだ。しかし、左に曲がるとき、これが困る。
     助手席にだれも乗っていない場合、手信号を出す人
     がいないからだ。そんなときは、じわりじわりと左に曲
     がる。それだけだ。
     もう、そんな状況にはとっくに慣れてしまった。しかし、
     今日、思いがけない人を発見。
     私の前の車は、ちゃんと方向指示機が作動していて、
     右にチカチカ点滅し、車は減速していた。私は左から追
     い抜こうとしたら…、その前の車が右ではなく左に曲が
     ったのである。す〜〜っと、涼しげな顔をして、左に曲が
     った。おじさん、逆よ。逆。

  13/12/2001 

     流行の素材

     明日引っ越すと言う私に、シスターがスカートを縫って
     プレゼントしてくれた。今、スリランカでは流行の形。ロ
     ングタイトスカートで、深いスリットが入ったものだ。大
     感激!気持ちが嬉しいではないか。
     「2月までず〜っとここにいたら?」
     なんて言ってくれるし。私と背丈がほぼ同じのシスター
     サイズで作ったのであろう。長さはぴったり。しかし、ち
     ょっとお腹と腰がきつい。シスターはやせているのだ。
     …ていうか、私が…。まあいい。しかし、その素材だ。ベ
     ルベットなのである。あっち〜よ。こんな暑い国で、なぜ
     ベルベット?しかし、それが今の流行なのだ。こちらでは、
     新素材なのだろうか?ヌワラエリヤやキャンディ、ディッ
     コヤあたりではきっとちょうどいいのだろうが、暑くて着れ
     ないよ。

  12/12/2001 

     パニックのようだ

     またもや、郵便局。小包編。今回はWeligamaの郵便
     局。相変わらず、列を作らないスリランカ人。本物の観
     光客の白人が切手を買いに来ていた。平気で割り込み
     をしてくるスリランカ人に、顔を真っ赤にして怒っていた。
     「彼がいちばん最初。僕が2番目、君は3番目だ!」
     気持ちは痛いほどわかる。怒った彼は、割り込みしよう
     とするスリランカ人男性の腕をわしづかみにして後ろに
     引きずり出そうとしている。私はというと…、とうの昔に
     小包二つを送るためにやってきて、いいかげん疲れて
     後ろに座っていた。私だって、もう1時間半も、待って
     いるのだ。手続きは始まっているのだが、私の荷物を
     担当してくれているおばちゃんは、パニックに陥ってい
     る。二つしか送らない私の荷物を、もう7回も計量して
     いる。そんなに重さは変わらないと思うのだが。そして、
     その送料の計算をすること8回。悪気がないことは分
     かっているので、私はのんびり待っている。

  11/12/2001 

     白人

     どうも、白人と思われているようだ。…いや、私が色が
     白いと自慢しているのではない。今では、すっかり日焼
     けしてしまい、腕なんか現地の人に負けず劣らず黒い
     のだから。しかし、スリランカの人にとっては。自分たち
     の肌の色ではない人は、全員白人と思っている人が実
     に多い。
     「私、白人じゃないよ」。
     と言うと、とっても驚く!そのリアクションを見た私のほ
     うが驚くくらいだ。
     「黄色だよ黄色」。
     黄色人種と言いたいのだが、そんなシンハラ語は知ら
     ない。すると、私が冗談を言ってるのかと思い、わはは!
     黄色だってよ!と笑う。こちらは、まじめなのだが。

  10/12/2001 

     消すのも怖い

     ここでもそうなのだが、キッチンにはガスコンロがある
     ところもあれば、薪をくべるところもある。両方ある家も
     少なくない。ガスがあるところは、もちろん上流階級。し
     かし、そこにヘルパーとして働きに来る人は、いわゆる
     底辺と呼ばれている人たちが多い。その人たちは、自
     分の家では薪を使っているため、ガスコンロが怖いと
     いう人がいる。前の下宿先にも、カミラがとても忙しい
     とき、たまにヘルパーが来ていた。その女性が、血相
     を変えて私のところへやってきた。
     「ノーナ(お嬢さん)!」
     そのあとは、ジェスチュアでおいでおいでをする。何事
     かと思って、走っていったら、ガスコンロの火を消して
     欲しいのだそうだ。火をつけるのが怖いのはなんとな
     く分かる気がする。しかし、火を消すのも怖いらしい。
     「この取っ手を回すだけだよ」。
     できないそうだ。

  08/12/2001 

     気持ちはわかる

     先日、近所のチビッ子が遊びに来ていた。キッチンで
     昼ご飯を食べていたのだが、彼のママは外で立ち話。
     ひとりで食べてるのも寂しいだろうと、様子を見に行っ
     た。すると、チビッこの姿が見えない。どこに行ったん
     だろうと、探していたら…
     なんと、冷蔵庫を開けて、その中に頭を突っ込んでい
     たのである。あまりにも暑くて、冷蔵庫の中に体ごと入
     ろうとしたらしい。昼ご飯もまともに食べないでそんなこ
     とをしていた!
     「何やってんの?」
     と聞くと、4歳の彼は恥ずかしそうに下を向いて笑った。
     気持ちはわかる。気持ちは。

  07/12/2001 

     インテリ・シンハラ人

     私が今住んでいる教会には、シスターが二人、ヘ
     ルパーの女性が三人いる。シスターたちは英語が
     話せる。しかし、ヘルパーの女性は全く英語が話せ
     ない。シンハラ語だ。なので、私はシスターたちには
     英語で、ヘルパーの女性にはシンハラ語ではなすこ
     とになる。時にはシスターもシンハラ語を使う。そうす
     るとだんだん何なんだか分からなくなってきて、私の
     話す言葉もめちゃくちゃになってきた。英語とシンハ
     ラ語がミックスされているのである。
     「メーカ also(オールソー) ラサイ!」
     これもおいしい!と言いたかったのだが、このように
     シンハラ語と英語がごちゃ混ぜになっていたりする。
     ちょっとインテリなシンハラ人のようだ。彼たちはシ
     ンハラ語に、時々英語を織り交ぜながら話すのだ。
     私もインテリ・シンハラ人に仲間入りか?

  06/12/2001 

     選挙翌日

     昨日選挙が行われた。投票に行った人は、手の小
     指にマジックが塗られる。2〜3日はなかなかお
     ちないらしい。原始的だ。昨日の夜から開票されて
     いて、テレビも特別番組が組まれている。当然外出
     禁止令(カーフュー)が発令されている。今回は、野
     党第一党のUNPが多くの地域で勝利をおさめそうだ。
     つまり与党と野党が入れ替わるかもしれない。そうな
     ると、またまた暴動が激しくなるに違いない。当日の
     夕方6時に発令されたカーフューは延長に延長を重
     ね。今日も終日外出禁止。この周りでも、あちこちか
     ら爆竹がバンバン聞こえてくる。私は銃声かと思い、
     ひとりでびくびくしているが、教会の人たちは
     「爆竹に決まってるわ。怖がっちゃダメよ〜」
     と笑っている。笑い事ではない!

  05/12/2001 

     上書き

     たまにコロンボに行くと、外で食事をする。例えばレ
     ストランで、
     「あ、ナプキンください」
     「さっき、ライムジュース頼んだけど、まだ来てない
     よ。やっぱりコカコーラにする」。
     「これ、おしいからもう一皿ちょうだい」。
     このように同じウェイターに同時に3つ頼みごとをす
     ると、かなりの確率で必ずどれか忘れる。すべてを
     覚えているなんて、とても優秀で拍手を送りたくなる
     くらいだ。もちろん、優秀な人だっていっぱいいる。し
     かし、最後に頼んだものだけを覚えている場合、これ
     を私たちは「上書き」と言う。彼たちのメモリにどんど
     ん上書きされていくようだからだ。コツは一つ頼んで、
     それが出来たら、次を頼む。一気にたくさん頼んでは
     いけない。コツさえ知ってしまえば、いらいらすること
     もない。

  04/12/2001 

     バケツ

     私が住んでいるWeligamaという町はムスリム人がと
     ても多い。すぐそばには、それはそれは大きなモスク
     があり、毎日5回、アラーへの祈りがマイクを通して大
     音響で流れてくる。今は、ご存知の通り、断食中。こち
     らでは「ノンビ」という。昼間は何も食べない。きびしい
     人は、つばさえも飲み込まないのだ。太陽が沈んだら
     食事をする。約1ヶ月間続く。
     今日、午後4時ごろ町を通ったら、バケツを持ったムス
     リム人がたっくさんいた。大人も子どももみんなバケツ
     を持っている。これは、午後6時に食べる食事をモスク
     が用意しているのだそうだ。そのキャドという食べ物を
     分けてもらうために、各自バケツを持って集まるのだ。
     赤や青、オレンジ色…カラフルなバケツを持って勢ぞろ
     いだ!

  03/12/2001 

     それいくら?

     スリランカ人の口ぐせのひとつだ。
     「いいブラウスねぇ。それいくら?」
     「古い車乗ってるねぇ。いくらで買ったの?」
     「下宿先には、いくら払ってるの?」
     日本人は、そういう質問はあまりしない。親しい友達
     は別だが、お金の話は国際ルールではタブーのひと
     つだ。スリランカの人は、初対面でも必ずお金の話を
     聞いてくる。
     「スリランカに来て、いくら使ったの?」
     「そのカメラ、いくら?」
     日本人だから聞かれるわけではない。スリランカ人同
     士でも、しょっちゅうこの手の話をしている。そして聞か
     れたほうは、律儀に料金を答える。
     あまり、気持ちのいい質問ではない。

  02/12/2001 

     バナナのマッチング

     スリランカにはバナナの種類がたくさんある。10種類
     はあるのではないだろうか?それぞれスリランカ人に
     は、こだわりと好みがあるようで、このバナナは嫌いだ
     とか、これがいちばんおいしいだとか、バナナには結構
     うるさい。バナナと言えば、どうしてもデザート、食後と
     いうイメージがあるが、スリランカ人は食事中に食べる
     ことが多い。例えば、ビットゥというインドの食べ物。これ
     は粉にココナツミルクなどを混ぜ、さらにそれを蒸したも
     の。これにバナナを混ぜながら食べると最高にマッチす
     る、とよく言う。食パンにバターをつけて右手で食べなが
     ら、左手にはバナナを持って両方同時に食べていること
     も珍しくない。旗から見ると、ただの食いしん坊に見える。

  01/12/2001 

     バイトちゃん

     Deniyayaのウィリーグループという茶園に行った。夕
     方、葉っぱが続々と工場に集まってくる。その葉っぱ
     を萎凋棚に広げるために、バイトちゃんを雇っていた。
     バイトちゃんといっても、60歳くらいのおじちゃんもい
     るのだが。5時くらいから来て、葉っぱを棚に広げる。
     その仕事が終わったらさっさと帰る。この日は7人の
     バイトちゃんがいた。そのおじちゃんたちの仕事振り
     を見て、思ったこと。本当に葉っぱを広げる仕事しか
     しないのだ。つまり、棚からこぼれ落ちた葉っぱは知
     らん振り。それは彼たちの仕事ではないのだ。別の
     人の仕事なのだ。みんなで協力して仕事を早く終わ
     らせよう、なんてまるで考えない。
     「そういう契約だから」
     と工場長は言っていたが、効率が悪いのは百も承知
     のようだ。しかし、これがお国柄。自分の仕事以外は、
     誰も手を貸そうとしない。トラックで集めてきた葉っぱ
     を量りに乗せる仕事も、ひとりで延々とやっている人
     がいた。それを、10人くらい周りでぼ〜っと見ている。
     私はちょっと手伝ってみた。しかし、一袋19キロある
     葉っぱである。余計足手まといだったのでやめた。
     「日本はこうじゃないんだろ?でも僕だけの力ではど
     うにも変えられないんだよ」
     と言っていた。